便秘の方の割合は、男性25%、女性43%です。
65歳以降は男性で64%、女性で72.3%となっています。
海外の研究では、便秘がある人は、便秘がない人と比べて15年後の生存率が低い(約3/4)という報告もあります。
腸の健康は「免疫力」「ダイエット」「見た目の若々しさ」「幸せホルモンの分泌」「認知症リスク」とも深く関係していることが明らかになっています。
<原因は?>
①偏った食事
ジャンクフードの食べ過ぎ、ダイエット、食物繊維、水分不足、は快便のさまたげになります。突然死したエルビスプレスリーの主治医は、「ジャンク食の食べ過ぎと向精神薬の服用により高度の便秘となっていた。血管障害で突然死したことになっているが、排便時のいきみ過ぎで 血管がきれたものと思われる」と話しているそうです。
②ストレス
体にストレスがかかると腸の動きが悪くなります。腸のぜん動運動が起こるのは、リラックスモードの時。便意が起きやすい朝は、時間に余裕を持ってリラックスして過ごすと排便習慣がつきやすくなります。
③便意の我慢
「トイレに行きたい!」と感じても、忙しいからと、便意を我慢してしまうと、腸のセンサーが鈍くなり、便意をもよおす「排便反射」が鈍くなってしまいます。
④運動不足
腹筋に力を入れることでスムーズな排便ができるようになっています。運動不足だと、腹筋が衰えてしまうので、便を押し出す力も弱くなります。
⑤女性ホルモンの影響
女性の月経に関与する黄体ホルモンは大腸の蠕動運動を抑制する作用があります。黄体ホルモンが活発になる排卵から月経までの時期は便秘になりやすくなります。
<便秘が体に及ぼす変化>
①腹部膨満感、いわゆる、お腹が張った状態に・・
便秘の場合、腸内で悪玉菌が有意な状態になっていると考えられますから、食べたもののカスが腐敗し、悪臭のガスを発生しやすくなります。また、腹痛、食欲不振、嘔気も引き起こします。
③美容面でのトラブル
内臓のトラブルにより、血行が悪くなり新陳代謝が滞ることによって、肌のハリやツヤがなくなったりすることもあります。また、腸内で老廃物が次第に腐敗し、そこから毒素が出ることで、肌に吹き出物やシミ、ニキビができることもあります。
④精神的不安定
イライラ、不眠、頭痛、肩こり、めまいなどを引き起こします。
<便秘解消のために>
腸を健康にすることです!
①ストレスをためない、規則正しい生活
ストレスをためず、心身ともに規則正しい生活を送ることが、便秘解消の第一歩。
②運動
・“ちょい起き”の腹筋運動
仰向けになって両手を頭の後ろで組み、ゆっくり息を吐きながらつま先を見るようにして、頭を少しだけ起こします。5秒くらい数えたら、再び頭を元の位置へ。これを毎日10回くらい続けることで、適度に腹筋を鍛えることができます。
・ウォーキング、水泳、ヨガなどの全身運動
③食べ物
・食物繊維と水分を十分取る
食物繊維は、腸のぜん動運動を活発にし、便を排出しやすくしてくれます。
穀物、いも類、豆類、ひじき、寒天、果物など、食物繊維を豊富に含む食品をしっかり摂りましょう。朝、水や白湯などの水分をコップ1杯摂る習慣をつけると、腸が目覚め、活発に動き出すようになります。
・腸内環境を整える食品を摂る
日頃から腸内環境をよくする食べ物を意識して摂るようにしましょう。
たとえば、乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトや、納豆などの発酵食品、ビフィズス菌など善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖など。
・極端なダイエットはNG
「痩せたい!」と思って極端に食事量を減らすと、食物繊維や水分も不足してしまいがち。そうすると、便のカサが減って、カチカチに硬くなってしまいます。ダイエットのため油の摂取を控えると、便の滑りが悪くなって、ますます出にくくなることも。
・食事のリズムを整える
3食をきちんと摂って、内臓の働くリズムを整えることも便秘改善にはとても大切。特に、朝食を抜いてしまうと、胃腸の働きが鈍くなり、便秘を引き起こしやすくなります。
④便秘の薬
どうしても便が出ないという時は利用しましょう。
正しく使わず、便秘薬を日常的に使用すると、腸の働きが鈍くなり自分で排便できなくなるので要注意です。
⑤サプリメント
サプリメントの服用も便秘の対策や予防には効果的。ビフィズス菌や乳酸菌のサプリメントは、忙しくて食生活が乱れがちな時には、頼もしい味方になってくれるでしょう。
当院でも取り扱っているおすすめのサプリは、「グルタミンビオ」です
<最後に>
便秘は放置せず、早めのケアが大切です。ぜひ、腸を健康にする「腸活」に取り組んで欲しいです。