大腸カメラ検査とは・・
肛門からスコープを挿入し、大腸の状態を見る検査です。
大腸がんは男女共にがんの罹患率・死亡率ともに高く、食習慣の欧米化などによって、患者数は増加しています。大腸カメラは、大腸粘膜を直接調べられるため、便潜血検査よりも精度が高い検査です。多くの方に大腸カメラを受けていただき、癌の早期発見に努めることが私たちの使命と思っています。
当院の大腸カメラ検査の特徴
特徴1
女性の内視鏡専門医による丁寧、正確な検査
当院の大腸カメラ検査はすべて日本消化器内視鏡学会専門医の資格を持つ女性医師が行います。長く積んだ経験を生かし、苦痛を最小限に抑え、丁寧で安全、正確な検査を提供いたします。女性医師が検査を行うので女性の方でも安心して検査が受けられます。
特徴2
苦痛を抑えた内視鏡挿入方法・・軸保持短縮法の徹底
大腸カメラ検査時で生じる苦痛のほとんどは、カメラを挿入する際、大腸のひだが伸ばされた時に生じます。大腸の形は個人によって様々で、曲がっていたり、癒着によって強く捻じれていたりする場合も少なくありません。当院では、「軸保持短縮法」という腸を伸ばさない、苦痛に配慮した大腸挿入法にこだわっています。
特徴3
大腸カメラ検査時に、そのままポリープ切除可能
大腸カメラ検査中に大腸ポリープが発見されましたら、その場で切除することもできます。検査と同日に行えるため、患者さんの負担が少ない方法です。
特徴4
希望のある方には、鎮静剤を用いた内視鏡
丁寧な内視鏡操作に軽い鎮静剤を組み合わせることで、軽く「ウトウト」眠ったままの苦痛に配慮した内視鏡検査を受けていただくことが可能となります。検査に用いる鎮静剤の種類や量は、患者さんのご年齢や体調、体格、などを考慮しながら選択します。
検査中は生体モニターを装着し、安全面に考慮しながら検査を進めます。
特徴5
検査後は、リカバリースペースでお休みいただきます。
鎮静剤を用いた内視鏡検査の後は、リカバリースペースへご案内します。プライバシーに配慮した個室のチェアーでお休みいただくことも可能です。
特徴6
院内で下剤服用可能なトイレ付き個室あり
下剤の服用が心配な方、来院までの移動が不安な方でも安心して下剤を服用できるよう、トイレ付き個室をご用意しております。院内wifi対応で、ゆっくり過ごすことができます。
特徴7
最新鋭の内視鏡システム
当院は、内視鏡分野では世界的に名が知られているオリンパス社の最新の内視鏡システム導入しております。また、極細の内視鏡スコープによって繊細な操作が行えるため、従来の内視鏡と比べて、ご負担の少ない検査を提供できます。
高精度ハイビジョンモニター
高解像度な検査画像を映します。
3つの高精度な機能を活用
NBIという、特殊な光を照らすことで微細な毛細血管の状態を見やすくする機能です。がんの早期発見に役立つ手段の1つです。
RDIは特殊な光を用いて粘膜の血管を観察し安全な内視鏡処置につながります。
TXIは特殊な画像処理技術を用いて、スクリーング検査時の病変の発見の手助けとなります。
炭酸ガスでお腹のハリを抑える
通常の大腸カメラ検査では、大腸に空気を入れて膨らませて行うため、検査後にはお腹の張り、苦しくなりやすいという問題がありました。 当院では、空気ではなく炭酸ガスを使って膨らませるため、検査後には大腸にガスがほとんど残らずに済み、検査後の苦痛を最小限に抑えられます。
大腸内視鏡ナビゲーションシステム(UPD3)の導入
挿入された大腸内視鏡を3D表示でき、大腸の形をリアルタイムで観察が可能です。
大腸内視鏡挿入困難の原因が瞬時に把握でき、より安全よりスムーズより負担の少ない検査の提供に役立ちます。
特徴8
丁寧な結果説明
受けられた検査結果を、皆様が、ご家族や友人に自信を持って伝えられるような説明を目指します。
このような方は
大腸カメラを
受けましょう。
便潜血陽性
早期の大腸がんは、自覚症状はなく、進行してから発見されることが多い病気です。しかし、早期発見・治療を受けることで、根治を目指せる病気でもあります。また、前がん病変の大腸ポリープを切除することも、将来の大腸がんの予防として重要です。検査で陽性反応が出たら、早期発見とポリープの切除ができる大腸カメラ検査を受けてください。
- 40才を過ぎたら、一度は検査を受けましょう。
大腸がんの発症リスクは、40歳を超えた年齢になってから徐々に上がります。40歳を超えたら一度、大腸カメラ検査を受けるようにしましょう。 - 親族に大腸癌の人がいる方
- 過去に大腸癌の手術、大腸ポリープを治療したことがあるが、その後、しばらく大腸カメラを受けていない方
- 血便や下痢・便秘・便が細い、お腹が張る・・など症状のある方
大腸カメラで
分かる病気
感染性胃腸炎(食中毒・急性胃腸炎)
ウイルスや細菌などの感染によって発症し、嘔吐・下痢、発熱などの症状が現れます。ウイルス性の場合はノロウイルスやロタウイルス、細菌性はサルモネラ・カンピロバクター・O157などが原因で発症します。細菌が原因の場合は、抗菌薬による治療が有効ですが、ウイルス性の場合は安静や整腸剤処方で経過をみます。
大腸ポリープ
大腸がん
日本では、大腸がんが罹患率・死亡率ともに上位を占めていますが、早期発見できれば完治できることが多い病気です。また、前がん病変の大腸ポリープを切除することも、予防する上で重要なことです。発症リスクが高くなる40歳を超えた方は、症状がなくても大腸カメラ検査を受けることをお勧めしています。
潰瘍性大腸炎
腸管で慢性的な炎症が起きる病気です。主な症状は、腹痛、下痢、血便であり、若年層の発症が多いのですが、高齢者が発症するケースもあります。厚生労働省によって、医療費助成対象疾患の難病に指定されていますが、適切な治療を継続することで、発症前とほぼ同じような生活を送ることもできます。特徴的な病変の確認を大腸カメラ検査でするとともに、組織を採取して病理検査を行うことで、診断を確定します。治療は炎症を緩和させる薬物療法を中心に、必要に応じて免疫調整剤や抗体製剤の処方や血球成分除去療法なども行います。症状によっては手術が必要になる場合もあります。
クローン病
消化管が慢性的な炎症を起こす病気です。症状は潰瘍性大腸炎と似ていますが、クローン病は、口から肛門までの消化管全域に炎症を起こす特徴があります。厚生労働省によって医療費助成対象疾患に指定されている難病ですが、適切な治療を継続することで、ほぼ発症前と変わらない生活を送ることもできます。診断の確定には大腸カメラ検査が必要になります。クローン病の場合、栄養療法や食事制限などが必要になることが多く、潰瘍性大腸炎とは治療は異なります。
大腸憩室
腸壁に「袋状の小さな凹み」がみられる状態です。原因として多いのは、欧米型食生活による食物繊維の摂取が低下、便秘などによる慢性的な腸管内圧の上昇です。憩室自体に特別な治療は必要ありませんが、炎症や出血などの原因になることがあります。
大腸憩室炎
腹痛や発熱などの症状が現れます。大腸憩室が炎症を起こす状態で、多くは抗菌薬などで改善できますが、穿孔などを起こしている状態の場合、手術が必要になる可能性があります。
憩室出血
症状は、腹痛を伴わない突発的な下血です。
多くの場合、安静と絶食で回復できますが、憩室出血が何度も繰り返されていたり、出血が止まらなかったりする場合は、内視鏡での止血や手術を行う可能性があります。
虚血性腸炎
大腸に酸素や栄養素を送る血管が動脈硬化などで狭窄・閉塞してしまうことで、血流が滞り大腸粘膜が炎症したり壊死したりする状態です。症状は下腹部に痛みを伴う下血です。安静にすることで改善されることが多いのですが、必要な場合は、抗菌薬などを投与していきます。
ベーチェット病
口腔内のアフタ性潰瘍や眼のブドウ膜炎、外陰部潰瘍、皮膚症状などを引き起こします。また、消化管病変によって腹痛や下痢、血便などを起こすこともあります。このような症状がある場合は、消化器疾患との鑑別ができません。なお、ベーチェット病は、医療費助成対象疾患の難病に指定されている指定難病となります。
痔
主に、いぼ痔(内痔核・外痔核)や切れ痔(裂肛)、痔ろう(あな痔)に分類されます。症状は痔のタイプによって様々で、外痔核や切れ痔は痛み、内痔核は排便時の出血が多くみられます。痔ろうは肛門周囲膿瘍が進行して発症し、発症前には痛みや発熱などの強い症状を引き起こすため、外科手術が必要です。いぼ痔や切れ痔は早めに受診することで、治療できる可能性が高くなっています。なお、痔は再発しやすいため、生活習慣の改善が重要です。
大腸ポリープとは・・
大腸ポリープは腫瘍性と非腫瘍性のポリープに分けられます。中でもよく発見されるのは、腫瘍性の腺腫(せんしゅ)に分類されるタイプです。腺腫は良性腫瘍ですが、進行すると一部ががん化する可能性があり、大腸がんの発症につながります。
大腸ポリープ切除
当院では、大腸カメラ検査中に発見され大腸ポリープを、検査中に内視鏡を用いて切除することが可能です。入院の必要がなく、そのままご自分で歩いてご帰宅いただけます。切除による痛みはありません。検査と切除が一日で終わるため、事前の食事制限と下剤の服用も一度で済みます。
ただし、ポリープが大きかったり、数が多い場合は、別日に入院して切除手術を受けていただく必要があります。その場合は当院と提携している病院へご紹介手配いたします。
コールドポリペクトミー
1㎝未満の大腸ポリープに対してスネアを締め付け、切除する筋肉層などの深部はダメージを与えない手法です。手術直後、出血が起きることもありますが、クリップで傷口をしっかり塞ぎ出血の予防をします。
大腸カメラ検査の流れ
Step1ご予約
検査には前日からの食事制限や下剤の服用が必要です。また、正確安全な検査のため、事前に受診していただき、診察後、検査スケジュールを決めさせていただきます。インターネット、またはお電話にてご予約ください。予約なしでの事前受診も可能です。
ご予約のキャンセル・日程変更をご希望の際は、1週間前までにご連絡ください。無断キャンセルはお断りしております。
Step2事前受診(初診)
症状や飲んでいるお薬、既往症、過去の大腸カメラの経験を確認いたします。
前日の食事制限、下剤服用方法、検査後注意点などもお伝えします。その上で、検査スケジュールを決めさせていただきます。
既往症や服用されている薬によっては、事前に休薬が必要なケースもあります。
Step3検査前日
前日は、ご購入いただく検査食、または指示された消化の良い食事で済ませてください。夜8時以降は検査終了まで絶食してお過ごしください。水や薄いお茶など透明なものでしたら検査当日の2時間前まで飲んでも大丈夫です。
Step4検査当日
朝食は食べずに、下剤服用の上、ご予約時間の30分前にご来院ください。
下剤は事前受診の時にお渡しします。時間をかけ、たくさん飲む必要がありますが、当院では下剤の量を工夫するよう努めております。特に、当院で定期的にカメラを受けている患者さんについては、過去の適性下剤量から個々の患者さんに合った下剤量を調整しお渡しします。
服用を開始してから1時間程度経った時に、水っぽい便が出るかと思います。徐々に便の色が薄くなり、水のようになれば洗浄完了です。
Step5検査
更衣室(個室)で検査着に着替えていただき、検査室に移動した後に検査を始めます。
鎮静剤を使う場合は、検査の直前に投与いたします。
検査時間は15分程度で、ポリープ切除を含めて大体30分以内が目安です。
Step6検査後
鎮静剤を使用した方は1時間ほど安静にしていただきます。検査のみの場合は、水分や食事の制限は必要ありません。ポリープを切除した場合は、多少制限がございます。
検査結果は当日、検査画像を一緒に見ていただきながら説明していきます。
また、ポリープ切除を行った場合は、日常生活の制限についても、お伝えします。
鎮静剤を使った方は、自動車はバイクの運転はお控えください。
大腸カメラの費用
※このテーブルは横にスクロール出来ます。
検査項目 | 1割負担 | 3割負担 |
---|---|---|
大腸内視鏡 (検査のみ) |
2,500円前後 | 7,000円前後 |
大腸内視鏡 +病理組織検査 |
3,500円前後 | 10,000〜15,000円 |
大腸カメラ 大腸ポリープ切除 |
7,000円〜10,000円 | 20,000〜30,000円 |
※保険診療で金額が決められているため、どこの医療機関で検査を受けても費用には大きな違いはありません。
※診察代、検査に使用した点滴、注射などの薬剤は含まれておりません。
大腸カメラ検査後の
お話
大腸内視鏡検査を受ける前に洗腸剤を内服して頂いたことで、腸内に宿便がない綺麗な状態になります。腸内環境をリセットしたことになりますので、この状態を保っていくことでさまざまなメリットが得られます。
大腸には、多くの腸内細菌が存在していて、体に良い働きをする「善玉菌」>体に悪い働きをする「悪玉菌」が理想的です。
悪玉菌の作り出す有害物質は便通異常、肌荒れ、アレルギー、精神疾患、がん、循環器疾患、メタボリック症候群に関係していることがわかっています。
善玉菌を増やすには、①良質な食事(食物繊維や発酵食品)、②良質なオイルの摂取、③整腸剤内服を継続することです。整腸剤を内服し腸内環境を整えると、アンチエイジング、美肌作用、花粉症予、精神安定作用があるだけではなく、大腸癌予防効果の報告も増えており、注目されています。 興味のある方はご相談ください。