老化とホルモン
ホルモンは、脳、甲状腺、副腎、卵巣、精巣などの臓器から分泌され、体温・生殖・成長・老化・免疫システムなど、身体の様々な機能を調節しています。
加齢に伴いホルモンが減少すると、様々な老化の兆候が現れます。
疲労、筋肉の減少、筋肉や関節の痛み、心疾患、体重増加、ガン、脳卒中などの老化現象の多くは、実はホルモン分泌量の減少によるものだと考えられています。
ホルモンの種類
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一般的な呼び名 | 主なホルモンの名称 | 分泌される部位 |
---|---|---|
成長ホルモン | ヒト成長ホルモン | 脳下垂体 |
甲状腺ホルモン | トリヨードサイロニン(T3) | 甲状腺 |
サイロキシン(T4) | 甲状腺 | |
女性ホルモン | エストロゲン | 主に卵巣(男性の場合、副腎) |
プロゲステロン | 主に卵巣(男性の場合、副腎) | |
男性ホルモン | テストステロン | 主に精巣(女性の場合、卵巣・副腎) |
DHEA | 主に副腎 | |
副腎ホルモン | コルチゾール | 副腎 |
ナチュラルホルモンとは?
ナチュラルホルモンは、もともと体に備わっているホルモンと全く同じ化学構造式であり、合成ホルモンと比較すると副作用の危険性が低いホルモンです。
保険適用の更年期障害治療に使用される「合成ホルモン剤」は、体内のホルモンに似せた薬剤であるため、同じような働きをするものの、化学構造式が違うために異なった作用があります。そのため、人によっては、副作用の原因となることがあります。
これに対し、ナチュラルホルモン補充療法は、体に優しく、自然な治療法といえます。
特に高齢になってくると、若い時のように強い作用のある女性ホルモンは必要ありませんので、より自然で体に優しい、ナチュラルホルモンによる治療が適しているのです。
安全性
更年期障害で使用されるナチュラルホルモンには、メラトニン、DHEA、テストステロン、エストロゲン、プロゲステロンなどがあります。女性ホルモン、男性ホルモンは、大豆またはヤムイモが原料になっています。
これらのナチュラルホルモンは、国内では販売されていませんので、外国から輸入することになりますが、自分でインターネットなどを利用して購入して使用することは絶対にお勧めできません。
本当に表示通りの成分が含まれているのか、不純物が含まれてないのかなど、保証ができないからです。
究極の自己投資
ナチュラルホルモン補充療法では、加齢と共に降下し始めるホルモンを、少量ずつ長期間に渡って、計画的に投与し、若い頃の美しいスタイルと健康・体力・気力を取り戻すことを目指す治療法です。
外見的な衰えだけではなく、体内機能の劣化や、老化の症状(コレステロール値の上昇、高血圧、心臓病、関節炎、エネルギーとスタミナの減退、筋力低下、薄毛、性機能の衰えなど)を緩やかにします。
また、記憶力・知的機能の回復、アルツハイマー型認知症の改善や男女の更年期の治療、各種免疫性疾患の症状を軽減する効果があり、注目されています。
外見の若さと健康の両方を取り戻すことこそ、理想的な『若返り』といえます。
100%ピュアで安全なナチュラルホルモンを補充することは、アンチエイジングにおいて究極の自己投資です。
このような方は、おすすめ
- 年齢を重ね、心も体もコンディションが万全ではなくなってきた方
- 男性更年期障害の方
- 女性更年期障害の方
- 月経前症候群(PMS)の方
- 日々、ストレスにさらされ、疲れている方
- 寝ても疲れが取れず、甘いものが食べたい、太りやすくなってきた方
- 肌のたるみ、しみ、くすみが気になる方
- 動脈硬化、心臓病、脳卒中など積極的に予防したい方
- 骨粗鬆症の方、または予防したい方
総合ホルモン検査
ホルモン補充療法開始前に、ホルモンバランス、老化度をチェックします(自費となります)。
DHEAS、コルチゾール、TSH、T3、テストステロン、遊離テストステロン、LH、FSH、エストラジオール、プロゲステロン、CA15-3、CA12-5、PSAなど男女ごとに組み合わせ、検査します。
検査結果により、必要なナチュラルホルモンを検討します。
投与するホルモンの一例
当院で取り扱う製品は、米国FDA(食品医療品局)の厳しい品質基準を満たした調剤企業または、医師が調剤した製品を使用しておりますので、安心してお使いいただけます。
プロゲステロン
「黄体ホルモン」ともいわれ、女性の身体で、特に妊娠の準備ができるように子宮を変化させ、月経周期を決めます。子宮内膜や子宮筋の働きを調節したり、乳腺の発育や排卵の周期、体温上昇などに関係し、更年期に入ると量が激減します。エストロゲン同様、女性が健康で美しい身体を保つ上で欠かせないホルモンです。
女性ホルモンは年齢を重ねるとともに減少してきますが、エストロゲンよりもプロゲステロンの方が早く低下します。プロゲステロンよりもエストロゲンが多い状態が長く続くと、子宮筋腫や乳がん、子宮がんが発生してきます。また、プロゲステロンの分泌がほとんど無くなると、体重増加、髪の毛が細くなる、ストレスに弱くなる、疲れやすい、風邪をひきやすいといった症状が現れてきます。
プロゲステロンが低下する原因
加齢、ストレス、ビタミン不足、糖質過多
働き
- 毛髪育成
- 体脂肪抑制
- 血栓予防
- 乳癌・子宮癌予防
- 循環器系疾患予防
- 抗うつ作用
- 性的能力改善
- 血糖値改善
- PMS改善
- 知力・集中力アップ
プロゲステロン投与が有効な症状や病態の例
更年期およびプレ更年期の症状
- ホットフラッシュ
- 寝汗
- イライラ
- 不眠
- 疲労感
- 記憶力、集中力低下
- うつ症状
- 性欲低下
- 膣萎縮
- 失禁
- 肌のたるみ
- 毛髪の減少
- 骨粗鬆症
- 心血管疾患、
脂質異常、高血圧
PMS月経前症候群
- うつ
- いらいら、不安
- 乳房緊満
- 頭痛
- 関節痛
- 体重増加
- 四肢のむくみ
- 甘いものへの渇望
片頭痛
アレルギー
関節炎
自己免疫疾患
尿路系トラブル
エストロゲン優位が原因!
「更年期障害は、エストロゲンが少なくなるから」、「月経前症候群は月経前にプロゲステロンが増えるから」と思っている方が多いと思いますが、違います。
更年期障害は、エストロゲンが緩やかに減少、それ以上にプロゲステロンが急激に減少するために起こり、
月経前症候群は、月経前プロゲステロンが増加、それ以上にエストロゲンも増加するために起こるのです。
ナチュラルホルモン
プロゲステロンクリーム
飲み薬のホルモン剤は、飲むと肝臓で代謝されるため、肝臓に負担がかかることに加え、半分以上がそこで無くなってしまいます。当クリニックで扱うナチュラルホルモンのプロゲステロンは、最も効果的に摂取できるクリームタイプです。腕の付け根など、毛細血管が発達している場所に塗ることで経皮的に吸収されます。
エストロゲン
「卵胞ホルモン」といわれ、卵巣で作られる女性のホルモンです。女性らしさに関与し、女性生殖器や乳腺の発育促進、子宮粘膜の増殖、女性の性活動・二次性徴を促進する働きがあります。エストロゲンやプロゲステロンが加齢とともに低下し、バランスが崩れ、更年期障害が現れます。
働き
- 乳腺発育促進
- 更年期障害の緩和
- アルツハイマー予防・記憶力改善
- コレステロール代謝改善
- 心臓病・脳卒中予防
- 骨粗鬆症予防
- 若々しい肌を作る
エストロゲンが必要な方
- 両側卵巣摘出後の方
- プロゲステロン投与のみでは、症状が改善しない方
テストステロン
精巣で作られる主要な男性ホルモン。男性の二次性徴を発現させます。男性らしさを発現しますが、40代になると急激に分泌量が低下し、器官の老化に陥ります。
最近、テストステロンは男性だけではなく、女性にとっても健康な生活を送るうえで欠かすことのできないホルモンであることが示されています。女性にとって、更年期症状の改善や肌を若々しく保つ効果もあります。
テストステロンレベルが年齢と共に低下すると、様々な健康問題が出現します。テストステロンの補充は、筋肉強度・性反応の改善、骨粗鬆症、関節炎、変形性関節変化を防ぐことが示されてきています。もちろん、男性更年期障害にも非常に有効です。さらに、テストステロンは男性と女性双方を心臓血管疾患から防御してくれることが示されています。
働き
- 体脂肪の抑制
- 性的機能の向上
- 心臓病、脳梗塞の予防
- 糖尿病、高脂血症、高血圧の改善
- 筋力アップ、骨量アップ
- 肌のハリ・ツヤを保つ
- うつ病の回復
- 病気やけがからの回復力を高める
- 記憶力・集中力・認知機能の増加
テストステロン投与が有効な症状や病態の例
プロゲステロン補充で症状改善が不十分な女性
子宮摘出または卵巣摘出を受けた女性
男性更年期症候群(LOH症候群)
男性更年期というと男性の性機能の低下がイメージされますが、そればかりではありません。男性ホルモン(テストステロン)が低下すると、精神面で気力がなくなる、仕事で集中力がなくなるということが出てきます。また肉体的な疲労も出てきますので、50才を過ぎて疲れやすくなる、体力が落ちる、それなのに眠れないといった症状も表れてきます。このように、肉体・精神・性機能の3つの面で色々な症状が出ることが男性更年期と考えられているのです。また男性ホルモンの低下にはストレスが関係していることが多く、会社で大きなストレスを抱えている人や通勤時間が長い人は男性更年期になりやすい人ともいえます。血液検査でテストステロンの状態を調べることはできますが、症状には個人差がありますので、自覚症状も重要な指標です。
以下に当てはまる方は、男性更年期症候群の可能性があります。
- 記憶力低下、集中力低下
- 抑うつ、疲労感、睡眠障害
- 筋力低下、骨密度低下
- 肥満
- のぼせ、発汗、心悸亢進、しびれ、知覚過敏など
- 毛髪減少
- 腰痛、肩こり、関節痛など
- 性機能障害
- 加齢臭
ナチュラルホルモン
テストステロンクリーム
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)
副腎や性腺で産生される男性ホルモンの一種で、若さを保つ鍵となるホルモンです。DHEA は、主に副腎から分泌されるホルモンで、性ホルモンを始めとする約50種類のホルモンに変化する前駆体です。「マザーホルモン」と言われています。
血中のDHEA-S値は男女ともに、20歳前後にピークに達した後、加齢とともに直線的に低下し、40代で50%、70歳時ではピーク時の20%に、85~90歳では5%まで低下してしまいます。
DHEAには、①糖尿病やメタボを防ぎ、②動脈硬化を防ぎ、③骨や筋肉を強くしてフレイルを防ぎ、④免疫を高める働きがあることが、これまでの研究により明らかにされています。また、DHEA-Sが高い人は長生きであることが明らかになり、DHEAは若返りホルモンとも言われています。
働き
- ストレスの悪影響を食い止める
- 筋力増強、活力増強、骨量増加
- 肥満防止
- 免疫機能を活性化する
- 抗がん作用
- 抗動脈硬化、糖尿病の改善、
中性脂肪・コレステロールを低下させる - 睡眠の改善
- 関節痛を軽減する
- 記憶力改善
- 性的機能改善
- 喘息、アレルギー症状の改善
- 繊維性筋痛症、リウマチ性関節炎などの
自己免疫疾患の症状改善
DHEA投与が有効な病態
副腎疲労症候群
朝起きられない、慢性的な疲労、うつ症状、皮膚炎、関節炎、化学物質過敏症などのいろいろな症状が現れるので、よく精神疾患と誤診されてしまいます。
副腎はコレステロール・ビタミンC・パントテン酸 などを材料としてストレスに対抗する副腎皮質ホルモン(抗ストレスホルモン)を作る臓器です。ストレスの持続、不摂生、栄養不足などで副腎でのコレステロールやビタミンCの貯金が尽きてしまい副腎疲労症候群が発症します。副腎はビタミンCが体内で一番多く含まれている臓器、つまり、一番ビタミンCを必要としている臓器なので、高濃度ビタミンC点滴も副腎を元気にするのに有効です。
以下に当てはまる方は、副腎疲労症候群の可能性があります。
- 朝、起きるのがつらい
- 熟睡できず、朝に目が覚めても疲れがとれない
- 甘いものが好き
- 塩分の濃いもの、カフェインの入った飲み物がほしくなる
- エネルギーが不足している感じがする、元気が出ずだるい
- 今までできていた日常的なことをやるのに一苦労する
- 性への興味が低下している、性欲がない
- ストレスにうまく対処できない、小さなことでもイライラし、人に八つ当たりする
- 風邪をひきやすい
- 立ちくらみがする
- 気持ちが落ち込む
- 人生に何の意味も見いだせない、楽しいことがない
- 月経に伴う症状が強くなった
- ボーッとすることが多い、集中力が低下した
- 物忘れが増え、記憶力が落ちた気がする
- 甘いものを食べると元気になるが、その後、だるくなる
- 午後3〜4時の間はぼんやりしている
- 午後6時以降になると少しずつ元気になってくる
副腎疲労症候群の治療
DHEA、プレグノロン、ビタミンC、プロテイン、糖質制限
甲状腺ホルモン
身体の代謝をつかさどるホルモン。
T4(サイロキシン)とT3(トリヨードサイロニン)の2種類があります。
甲状腺ではT4を合成していますが、作用はとても弱く、T4が腸管や肝臓でT3に変換され、強い甲状腺ホルモン作用を発揮します。甲状腺機能低下症と診断され、保険の範囲で処方される薬は、合成T4であり、これがすべてT3に変換できるわけではないのです。T4の薬の治療だけでは、症状が十分に改善されず、うつや倦怠感、体重増加など苦しみ続ける方も多くいらっしゃいます。
30代後半から機能が低下してくる人が増加し、一般の医療機関の検査で「甲状腺機能は正常」と言われる、しかし、そのような方が、甲状腺ホルモンを補充すると改善する、というケースは多いといわれています。
甲状腺ホルモンの正常値は個人差が大きいのです。
不足すると起こる症状
- 体重増加
- 冷え
- 気分の落ち込み、抑うつ
- 集中力低下
- 疲労感
- 髪が薄くなる
- 肌や爪が薄くなる
- 便秘
- 生理不順
ナチュラルホルモン
天然型甲状腺ホルモン Armour Thyroid
メラトニン
脳の松果体から分泌されるホルモン。
メラトニンは睡眠のリズムを作りますが、免疫機能も向上させることが分かっており、「スーパーホルモン」と呼ばれています。
メラトニンは強力な抗酸化力をもち、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)を強化させ、免疫力アップやがんを予防する期待が持たれています。
また、不妊治療において、卵胞内の酸化を抑え、卵の質を改善し、妊娠率の向上につながるため使用されることがあります。その他、気分の改善、エネルギー活性化などの効能があります。
他のホルモンと同様、年齢とともに分泌量が低下します。
分泌が低下すると、夜眠れなくなったり、時差ボケがひどくなったり、イライラしたり、神経過敏になったり、また老化も早まると言われています。
プレグネノロン
「グランドマザーホルモン」といわれ、DHEAのもととなるホルモンです。
記憶力を高め、細胞の修復力を向上させます。
70歳で60%まで減少し、歳をとり、「頭がぼんやりする」「物忘れがする」というのは、これが原因の1つとも言われています。
また、副腎疲労症候群の末期でコルチゾールが十分に作られなくなってしまった場合に、プレグネノロンを補充する治療も行われています。リウマチ性多発関節炎の症状にも効果があります。
費用(税込)
※このテーブルは横にスクロール出来ます。
総合ホルモン検査 女性 | 7,700円 |
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総合ホルモン検査 男性 | 6,600円 |
DHEA 25mg (100錠入、3ヶ月分) | 9,900円 |
プレグネノロン5mg(100錠入、3ヶ月分) | 6,600円 |
メラトニン3mg(60錠入、2ヶ月分) | 6,000円 |
天然型甲状腺ホルモン30mg(30錠入、1ヶ月分) | 25,000円 |
テストステロンクリーム5% 50ml (50-100日分程度) | 29,000円 |
プロゲステロンクリーム10% 50ml (6ヶ月分程度) | 29,000円 |
※他のナチュラルホルモンについても、必要時、随時対応可能です
※院内在庫がない場合、予約発注させていただくこともあります。
予防医療としてのナチュラルホルモン補充療法
欧米では、社会的影響力のあるセレブの多くが、ナチュラルホルモン補充療法によって、若々しさと美しさを保ち続けながら活躍しています。
日本では、まだまだ一般的ではありません。
ホルモン補充療法をしたからといって永遠の命を手に入れることはできません。
とはいえ、死ぬ直前までアクティブに過ごしたい方にとって、ナチュラルホルモン補充療法は間違いなく大きな助けとなるはずです。
ナチュラルホルモン補充療法を活用して、多くの方たちがいつまでもアクティブで美しく過ごしていただければと思います。